社長コラム15 令和のコメ騒動~新米の価格~

精米 玄米 社長コラム

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当社代表の塩沢均による連載コラムです。

Shiozawa@2x-1

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

 

このところ「令和のコメ騒動」というフレーズを見聞きしない日はなく、この調子だと今年流行語大賞か?と思ってしまうような勢いです。

ただ、この「騒動」の中身が変質してきていることに皆さんもお気づきかと思います。これまでは「コメがない(または、足りない)」というトーンが主でしたが、ここにきて「コメが高い」という内容がポツポツと表れてきているのです。

「今年のコメが出回れば不足感はなくなる」という話はこのコラムでもさせていただきましたが、その言葉通り、9月に入り令和6年産米が出回り始めお米屋さんや食品スーパーの在庫も徐々に元通りになり始めています。ただ価格は相変わらず高いままです。

自社、他社を問わず商品の価格を見聞きすると5kgで2,500~3,000円、ものによっては3,000円を超えているものもあるようです。物価に絶対的な値はないのでしょうが、直感的に高い気がします。それも「ちょっと高い」域を超えてしまった感が強いです。

5年産米が高かった先月までは「足りないから高い」ということだったわけですが、6年産米は「生産コストをはじめとする経費の上昇が価格に反映」ということであり、同じ「高い」でも内容が異なっているということです。

だから「7月、8月は物がなかったから高くなったのも分かるが、こんなに物が出回っても高いのは何で?」という声も時々聞くのですが、そうした皆さんには丁寧に説明していくことがとても大切なことだと考えています。特にコメの再生産を促すための消費者への生産コストのご負担については、我々のような流通サイドからも取引先やその先の消費者の皆さんに、声を大にして伝えていかなければいけません。

それと同時に、現在の価格の高さを少しでも引き下げるよう集荷業者さんや生産者さんにも伝えなければいけないと感じています。6年産の「必要な値上げ」以上の価格上昇は、コメの需要拡大にとって大きなブレーキになってしまいます。前述の「消費者へのコスト上昇分ご負担のお願い」の逆の話と聞こえてしまうかもしれませんが、その通り、矛盾するような話であるのです。ですがこの二つを少しでも近づけていかないと「コメの生産の維持・拡大」「コメ需要の拡大」のこの双方の実現もないのです。

令和6年産米の市場は難しい局面になってしまったともいえますが、関係者の皆さん、手を取り合ってコメの市場を盛り上げていきましょう。