以前の「雑穀米3種炊き比べ」に続き、今回は浸漬時間の異なる玄米の炊き比べを行いました。
玄米は食物繊維に加え、ビタミン・ミネラルも豊富で、血糖のコントロールもしやすく、さらにはよく噛んで食べることから満腹感も得られやすいとされています。個人的には、おかずに関しても糖質・脂質の高いものをあまり求めなくなる気がします。
良いこと尽くめな玄米ですが、香りや食感が食べづらい・炊くのが面倒そうなどといったデメリットもイメージしてしまうかと思います。そこで、実際に玄米を炊いて食べてみた結果や感想をご紹介します。
炊き比べ結果
玄米ってどんなお米?
玄米は、白米を搗精する前のぬか層が付いた状態のお米です。
玄米を搗精して、ぬか層を取り除いた状態のものが白米です。重量比にして白米は玄米の90%程度の重さです。(10kgの玄米を搗精すると約9㎏の白米になります)
このぬか層の部分が茶色く硬い層となっています。柔らかく、炊きやすく、食べやすくするために搗精しますが、この作業により様々な体にいい要素を取り除いていることにもなります。
玄米とは
白米とは
浸漬時間の異なる玄米の炊き比べ
今回の玄米炊飯は、いかに玄米に対するハードルを下げるか?ということを目標しているため、特別な条件や炊き方は行わず、普段私たちがご飯を炊くような炊飯方法にて行いました。
炊飯手順および方法
手順
- 洗米
- 浸漬
- 炊飯
- 実食
方法
- 洗米
玄米2合(300g)を計量し、炊飯釜で軽く水洗いします。
白米ではありませんので、ぬか層もしっかりしているため、少し白濁している程度です。表面についている汚れを洗い流す程度のイメージです。
- 浸漬
炊飯炊き機能がある炊飯器は、目盛通りの水加減に合わせます。
玄米はぬか層があり、水の吸収がされにくいため長時間浸漬しなければいけないといわれますが、今回は手軽さに挑戦するため、浸漬時間を6時間/3時間/1時間の3パターンで香りや食感などの違いを比較します。
※反対側の玄米2合の目盛に合わせて水を加えています。
- 炊飯
「玄米モード」で炊飯を行います。
当社の炊飯器は決して新しいものではありませんが、炊飯モードはついていますので、一般家庭向けの炊飯器では標準的な機能だと思います。
炊飯時間は、通常の白米モード+10分程度でした。(当社の炊飯器比)
- 実食
実食結果
6時間浸漬
炊き上がりはもちろん玄米の香りがします。ここが好き嫌いの分かれるポイントかと思いますが、個人的にはあまり気になりませんでした。
炊き上がりの見た目は、玄米色は薄れて艶やかに見えます。胚芽はよく見えます。
食べた感じはふっくらした中に玄米特有の少しプチプチした食感があり、自然とよく噛んで食べます。おいしくいただけました。
6時間浸漬した玄米の炊き上がり
3時間浸漬
見た目は6時間浸漬した玄米と違いがわかりません。
食べた感じはややふっくら感は薄れますが、抵抗があるほどのものではありませんでした。3時間の浸漬でも食べにくさは感じませんでした。(水が冷たい冬場は、夏場より浸漬時間が必要です)
3時間浸漬した玄米の炊き上がり
1時間浸漬
画像ではわかりづらいですが、吸水が足りないせいか、少し水っぽさがあります。皮の硬さや水分のベチャ付きといった食感を感じました。
食べるのに抵抗があるほどのものではありませんが、3時間または6時間浸漬したものよりは食感が落ちるため、食べにくさを感じやすいと思います。
1時間浸漬した玄米の炊き上がり
浸漬時間は最低でも3時間以上がおすすめ
- 6時間浸漬した玄米は、お米の中心部までしっかり吸水ができており、ふっくらプチプチとした食感でおいしく食べることができました。
- 3時間浸漬した玄米は、ふっくら感は6時間の浸漬した玄米よりやや劣りますが、食べにくさはそこまで感じませんでした。
- 1時間の浸漬では、水分が吸収しきれないため水っぽさを感じます。
今後、玄米食を継続したいという方は最低でも3時間以上の浸漬がおすすめです。時間に余裕がある方は6時間くらいの浸漬が理想です。
玄米食にチャレンジしてみませんか?
玄米の炊飯・実食を行ってみた結果、玄米食は「思ったより簡単にできる」と感じました。洗米はサッと行い、それほど長時間浸漬しなくても炊飯器が仕事をしてくれます。
あとは普段の白米とは違う、香りや食感をどう感じるか、だと思います。
家族に玄米が苦手な人がいる場合や、浸漬が手間に感じるようでしたら3合ほど炊飯して冷凍しておけば1週間程度の玄米ご飯のストックができます。
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