社長コラム17 総選挙と今後のコメ政策

精米 玄米 社長コラム

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当社代表の塩沢均による連載コラムです。

Shiozawa@2x-1

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

 

総選挙が終わりました。

今回の選挙、それぞれの主張や選挙の戦い方、そして結果に至るまで多くの皆さんがそれぞれ思うところがあるかと思います。そんな中で私が残念に思ったことの一つに、選挙の論点が「政治とカネ」に集中してしまったことがあります。

言うまでもありませんが我が国は喫緊と言える課題をいくつも抱えています。私たちの業務に密接する「これからのコメ政策(ひいては食料安全保障)をどのように考えるのか?」という課題も、「令和のコメ騒動」があったがゆえにたいへん興味深いイシューであったかと思います。

主な主張をザックリとまとめると、自民党は輸出拡大をベースに安定供給を訴え、公明党は安定的な流通のバックアップによる食料安全保障の確立を、立憲民主党は所得補償の新たな支援制度を訴え、国民民主党は国によるコメ需給調整の管掌をと、各党さまざまな主張がなされていました。しかしコメ政策が党首討論や政党間の論点として討論された場面は残念ながら私の記憶にありませんでした。

政府が輸出拡大をどのように推進できるのか?かつての「戸別所得補償」とは異なる、生産のモチベーションを妨げない所得補償はどんな制度なのか?何をするにせよ必要となる財源はどうするのか?各党の政策を眺めただけでもこんな疑問が湧いてくるのですが、さてそもそも、各党のコメ政策は日の目を浴びる運びとなるのでしょうか。

全米販の「米穀流通2040ビジョン」の未来予測を持ち出すまでもなく、コメの国内生産力の低下にどう歯止めをかけるのかは喫緊の課題です。これは一企業や業界の意向だけではダメで、消費者の皆さん(というより国民全体?)がどう考えるかをベースに、生産者、流通業者がそこに寄り添えるかをまとめ上げていかないと答えに到達しないと思います。そのためには政治が先導するべきときがやってきていると思うのですが、皆さんはどう思われますか?

絶対多数を握る強い政権がなくなった今だからこそ、さまざまな領域のイシューが議論されやすい環境にあると思います。コメの未来を国民的議論で切り開くそんなチャンスが到来したのかもしれません。