社長コラム20 備蓄米放出は"コメ不足感"にどう影響する?

精米 玄米 社長コラム

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当社代表の塩沢均による連載コラムです。

Shiozawa@2x-1

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

 

このところ政府の「備蓄米」に関する報道が世間を賑わせています。

昨年の“令和のコメ騒動”以降一貫してその放出に否定的だった農水省でしたが、今年に入っても沈静化しないコメマーケットの現状を踏まえ「備蓄米」の活用を検討すると農水大臣の発言があったのはご承知の通りです。同じ時期に流通団体である全米販を中心に、実需団体の国産米使用推進団体協議会や全国学校給食推進連合会らが農水省に「備蓄米」放出の要請をしたり、食糧部会という審議会で活用の是非を諮ったりと、一気に動きが慌ただしくなってきています。

誰に対して、どのくらいの量を販売し、(1年以内に買い戻すと言われているが)どのように買い戻すのかなど、実施に向けて確定させなければいけないことが山積みですが、農水大臣からは「スピードアップする」という発言も出たことですし、放出は間近と思っていいのかと思われます。

「備蓄米」の放出により市場に潜在化している(と考えられている)令和6年産米がどの程度、表に現れてくるのか、またそれによって米価がどの程度沈静化してくるのか、現時点では未知数でありますが、プラスに作用することは間違いないと思いますし、そうさせなければいけないと強く感じています。

米価が生産コストを下回るということは論外ですが、生産者の皆さんが再生産できる、コメ作りを続けたくなる米価を維持するために、流通業者としても努力を続けていかなければいけないと思っていることは、このコラムでも過去に表明している通りです。しかし、米価が高騰し過ぎることで消費者の皆さんのコメ離れが拡大したり、価格の面から輸入米に需要が流れたりするのは本意ではありませんし、そうならないためにも出来得る努力はしていかなければいけないと決意を新たにしました。

今回の「備蓄米」放出はコメの市場の潮目を変える大きなポイントになるかもしれません。そんな観点からも今後の動向を注意深く見守ってください。