当社代表の塩沢均による連載コラムです。

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
そろそろ備蓄米が実需先に出回り始める頃かと思います。メディアは「米価に動きが見られない」とヤキモキしながら報道していますが、直接的な米価への影響という意味では放出量を考えても劇的な変動は考えにくいと思われますし、間接的に市場を刺激し米価を引き下げるメカニズが機能するとしても、もう少しタイムラグがあるのではないでしょうか。
そもそも高騰した現在のコメの価格についてどんな風に感じているのだろう?と疑問に思っているとドンピシャな調査結果に出くわしました。日本政策金融公庫が今年1月に実施した「消費者動向調査」です。現在のコメに対する購買意識を中心にリサーチしています。(手法はネット調査、対象は20~70代男女2,000名)
この調査によると、昨年夏以来のコメの価格について「大きな影響はなく気にしていない」と答えた方が14.5%、「価格上昇は厳しいが納得している」が28.1%、「価格上昇には納得していないがやむを得ない」が46.1%、「価格上昇は受け入れられない」が11.3%という結果でした。詳細は日本政策金融公庫さんのHPでご確認ください。
この数字をどう解釈するかは難しいところです。6割近くの方が「価格上昇に納得していない」と解釈することもできますし、9割近くの方がコメの現状を受け入れてくれていると解釈することもできます。
私はこの調査結果を見たとき、「早く何とかしないと大変なことになる」と感じました。確かに現在の状況を「受け入れられない」と思っておられる方は1割かもしれませんが、半数近くの方が「納得していない」と答えているのです。仕方なく買っている以上、いつ"別の何か"に変わってもおかしくありません。そして何より怖いのは、そんな状態でコメを購入していただいていることにより、コメはもとよりそれを作ったり売ったりしている人に対してまでも「信頼」や「安心」をジワジワと毀損した結果の「コメ離れ」です。消費者の皆さんをそんな気持ちさせてはいけないと思います。
今の状況を緩和するのは容易ではありません。が、今こそ関係者が力を合わせ「納得していない」消費者の方々に納得していただく努力を重ねるべきときではないでしょうか。