みなさんは普段お米を購入するとき、なにを(どこを)見ていますか?今回は、お米の袋に記載されている「表示欄」についてご紹介・解説いたします。
表示欄の内容
お米には、「食品表示法」に基づく「食品表示基準」により、品質に関する表示が義務づけられています。
お米の袋の表面、または裏面に上記のような表示欄が記載されています。この表示欄を見れば、「どんなお米なのか」がわかります。
表示項目
- 名称
- 原料玄米
- 内容量
- 精米時期
- 販売者
原料玄米
原料玄米の欄には、産地、品種、産年および使用割合を表示します。原料が「単一原料米」か、「複数原料米」かによって表示の内容は異なります。
- 単一原料米:産地、品種、産年が同一のお米を10割使用している
- 複数原料米:産地、品種もしくは産年が同一でないお米を使用している
いわゆる「ブレンド米」と呼ばれるお米は、複数原料米にあたります。
単一原料米
下記の一括表示欄のお米は、年産が同一の長野県産コシヒカリを10割使用しているお米です。産年は、表示欄とは反対面の下部に印字されます。
複数原料米
下記の一括表示欄のお米は、国内産(複数の産地)のお米を10割使用しています。10割のうち5割はコシヒカリ、残りのもう5割はその他の銘柄を使用しているブレンド米です。パッケージには、「国内産コシヒカリブレンド」などの表現が可能です。
商品名だけでは、どんなお米が使用されているのかわかりにくいブレンド米は、表示欄を確認することでお米の産地や銘柄がわかることがあります。
精米時期
精米時期には、精米日を表示します。玄米の場合は「調製時期」とし、調製日は、原料玄米を精選、袋詰めした日を表示します。
新たな表示方法
これまでの精米日及び調製日の表示は、「年月日」表示でしたが、2020年3月27日から新たに「年月旬(上/中/下旬)(※)」表示が可能となりました。年月旬表示は、10日間の幅を持たせた表示方法です。
※上旬:1日~10日、中旬:11日~20日、下旬:21日~31日
(例)
※表示範囲(期間)は広くなりますが、それぞれの商品には製造ロット番号が付与されており、トレース等の品質の確認が行えるようになっています。
「年月旬」表示により期待される効果
年月旬表示が可能になったことで、精米年月日が古いという理由で廃棄または販売対象外とされていた商品のロスの削減や、災害などへの対応能力の向上が期待されています。
また、昨今注目されている「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点からも重要な取組みとなります。
期待される効果
- 管理コストの削減
管理単位が少なくなることで、先入先出作業の削減
- 食品ロスの削減
精米日が古い理由で廃棄・値引販売された商品の削減
- 環境負荷の低減
管理単位が減ることによる配送回数(排気ガス等)の削減
- 災害対応の向上
災害時等の在庫管理削減による対応能力の向上
お米の選び方の参考に
これまで何気なく目にしていた表示欄も、どんなことが書かれているのか知っておくと良いでしょう。是非お米選びに困ったときに参考にしてみてください。