当社代表の塩沢均による連載コラムです。
社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
米価が上がっています。このところ、テレビ番組や新聞等でも大きく取り上げられているので、ご存知の方も多いでしょう。
原因は昨年穫れた令和5年産のコメが少し足りなくなってきているからです。そう言うと「コメが足りない?去年のコメは出来が良かったのでは?」という声が返ってきそうです。令和5年産米の作況指数は全国平均で101、長野県も100と、不足が心配されるような作柄ではありませんでした。それなのになぜこんなことになってしまったのでしょうか。
実は昨秋から何となく気配はありました。集荷団体や業者さん、また生産者さんの話を聞くにつけ「思ったように集まらない」「そもそも数字ほど穫れていない」といった答えが多かったのです。さらに、5年産米を搗精すると歩留まりが悪い。具体的には、割れてしまうコメが通常より多い傾向にありました。
そんな原料事情の中、需要に関してもご承知のように新型コロナウイルス禍が低減、インバウンドをはじめとするいくつかの要因が外食や中食需要を伸ばし、また円安の恒常化が食品価格を高止まりさせる中、内食需要もコメ消費に追い風となり、現在のコメ不足感をもたらしているというのがここまでの経緯です。
ただ、このコメ不足はその昔にあった「平成のコメ騒動」などとは質もスケールも全く違います。(「平成のコメ騒動」をご存じない方もいらっしゃいますよね…)だからあのときのように売り場からコメが消えてしまうということもおそらくないでしょう。
それにすでに6月半ばです。2カ月もすれば今年の新米が出始める時期でもあります。消費者、関係者の皆さんからすれば、価格上昇や特定産地の不足状態が生じる期間があったりするでしょうから、若干ご迷惑をおかけするかもしれませんが、乗り切れないような騒動にはならないと思います。
だから「今のうちに買いだめを…」なんて必要は全くないことを、最後に付け加えておきます。