当社代表の塩沢均による連載コラムです。
社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
今回極々私事の話です。
最近我が家で新たにフライパン類を買い足しました。28cm大ぶりなものと18cmの小ぶりなもの、それと玉子焼き器です。きっかけは昨今話題になっているPFAS(有機フッ素化合物)です。ご承知のように、長野市でも複数個所の水源から国の基準値を超える量が検出されていることもあり、俄然取り沙汰されるようになりましたよね。ちょっと気になって調べてみるうちに「フッ素加工(テフロン樹脂)はどうなのか?」というテーマにもぶつかりました。いろいろな記事やデータを読んだりもしたのですが、私の中では「現段階ではよくわからない」ということに至りました。
その経過で目に留まったのが「鉄製のフライパン」でした。フッ素加工の是非とは別に、鉄製の調理器具の良さを述べている記事は説得されるには十分な程たくさんありましたし、何よりあの黒くて重いフライパンにノスタルジックな興味を引かれてしまい、直ぐにネットで購入してしまいました。
使ってみての感想はというと「手間が掛かるな…」というのが正直なところでした。暫くの間は「油ならし」をしなければいけませんし、洗剤での洗浄はご法度。熱いうちにたわし等で汚れをこそげ落とすように洗わないといけません。また、水分が残っているとすぐに錆が出てしまうので、洗い終わったら常に水気を取らないといけません。(こうした行為を総じて「フライパンを育てる」というそうです。)
一方肝心の調理の出来はというと、確かに焼き色なども柔らかく美味しそうに付いている気はします。が、掛かる手間の分ほど味が変わるかといわれると…微妙なところです。(腕の問題は置いておきます。)
ただこうした手間の掛かる調理器具を使うと、何となく食材や料理に丁寧に向き合うようになる気がしますし、食事自体についても慌ただしく食べることが申し訳ないような気がして、普段よりゆったりと時間を掛けて味わってしまうような、そんな力を持っている気がします。だからこの先も毎食というわけにはいきませんが、時間があるときには鉄製のフライパンを使ってゆったりした気分の食事を楽しみたいと思っています。